ハシガケちゃんの「みんなのトーク」
この前の投稿「雑談 is not むだ話」で、雑談は役に立つ!むだ話ではない!と自信満々に書きましたが、
私、ハシガケ、雑談の何たるかを全く理解していませんでした。
ここに謹んでお詫び申し上げるとともに、もう一段階深く、雑談を考察奉る次第です。
(あれ、文書が変になっちゃってる、いったんリセット)
ピョートル・フェリクス・グジバチ
『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』
株式会社クロスメディア・パブリッシング, 2023年
著者はシリアルアントレプレナー(連続起業家)で投資家で経営コンサルタントのグジパチ氏。Googleで人材開発・組織改革・リーダーシップマネジメントも行っていたとのこと。
私が大きく見落としていたのは、プライベートとビジネスの雑談は違うということ。
プライベートであれば「今日はいい天気だねー」「そうだねー」という会話で、ほっこりするのもアリ。
前に私が書いた
・人と人との関係を育む
・堅いコミュニケーションを滑らかにする
・会話そのものが精神衛生に良い
・知性の刺激が新しい何かを生む
こういった効果・効用のために言葉を交わすので十分でしょう。
でもビジネスの雑談は違いますよ、と著者は言っています。
雑談は、本来、むだ話ではないと言っているところは同じなのですが、
違いに関して述べているその部分を引用すると―――
雑談を学びの場と考え、お互いの人生を豊かにするための知識や情報を「やりとり」する時間と
捉えていますから、雑談を世間話や無駄話と考えている日本のビジネスマンとは、
良くも悪くも、向き合い方に大きなギャップがあります。
とのこと。
雑談というワードを使うべきか悩むところですが、著者は会議のアジェンダに入る前、
会議が終わった後、エレベータホールなどでのお見送りの時間、
はたまたトイレで一緒になった時の会話はすべて雑談で、それをむだにするなと言っています。
ではビジネスモードでの雑談は何をするためのものかというと、
それはビジネスの前提になる『ラポール』を作る、ということ。
心理学用語のラポールについて、これも引用させてもらうと―――
ラポールとは、お互いの心が通じ合い、穏やかな気持ちで、リラックスして相手の言葉を
受け入れられる関係性を指します。
お相手がビジネスパートナーとして信頼・信用できる人物か、尊敬して付き合い続けられる人物か
会話の中から探っていく。もしそうであれば、その関係を継続し、さらに深めていくために、
パーソナルな領域に踏み込んだり、こちらの意図を伝えたりする。
もちろんお相手も、自分のことをそのようにスクリーニングしているので、
お相手にとって自分はいっしょにビジネスをしていくだけの価値がありますよ、
ということを証明していかなければいけない。
ちょっとイヤな言い方ですが、「腹の探り合い」で「お互い自分の優秀さの証明」で、
にこにこしながらバチバチなわけです。
また、1回の雑談でラポールが形成できるわけではないので、
時間をかけて、短い雑談を何回も繰り返しなさいと言っています。
内容も、毎回同じことを言ってるようではだめで、前回の雑談や会議の流れを受けて、
少しずつ、お互いに情報を開示しながら距離を縮めていく。
そういう戦略性やしたたかさも必要のようです。
つまり、
ビジネスの雑談をナメてはいけない
(これは自分への戒めでもあります)
「えー、そんな雑談イヤすぎる」という意見もあると思います。
それはもっともで、すべての雑談がビジネスのためのラポール形成である必要はなく、
プライベートとビジネスは分ければ良い。相手が家族、友達、仲のいい同僚であれば
プライベートモードで雑談すればいいですし、相手が仕事でお付き合いのある人であっても、
「今日は仕事抜きで話しましょう」ができるお相手なら、その時はプライベートモードでいい。
ただし、仕事抜きって言ったら本当に仕事抜きで雑談できる相手か、言葉に裏表がない相手かは、
ラポール形成の段階で見極めておく必要があります。
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さてここからちょっとだけhashigakeの話。
上で話したビジネスモードの雑談って、営業の人は日々やっていると思いますが、
慣れも必要で、そのためには場数を踏まないといけないですよね。
当社の場合、hashigakeで話すときに「雑談」というテーマが設定されることもあります。
お相手によりますが、そういう時に、ビジネスモードの雑談の練習をすればいいのです。
同じ会社の人なので信頼・信用・尊敬できる相手ではあるのですが、
・この人、噂ではこう聞いたけど、ほんとはどういう人なのかな
・自分の上司や部下になったら相性良く付き合っていけるかな
を雑談の中で探っていく。同時に自分を、一緒に仕事をしたくなる人としてアピールしていく。
hashigakeの1回あたりのトーク時間は15分(3人トークなら20分)、
時には、ビジネスモードの雑談の練習に上手に使ってもらえるといいなと思います。