ハシガケちゃんの「みんなのトーク」

リモートワークを考える

リモートワークを考える

hashigakeが生まれたきっかけは、コロナ禍でリモートワークが急速に普及し、
その反動で企業内のコミュニケーションに歪みが生まれたことです。
具体的にいうと、リモートワークによってコミュニケーションの量、質、範囲が悪化した。
量:「ちょっといい?」から始まる会話がしづらく回数が減った
質:仕事の話が中心になって、いい意味での雑談や脱線が減った
範囲:会話する範囲が仕事で直接かかわる人だけ。エレベータ前で偶然会って・・のような会話が減った。
こういった歪みを埋めようとhashigakeがスタートしています。
 
もちろん、リモートワークは負の側面だけをもたらしたわけではありません。
リモートワークという仕事のスタイルが、人の働き方や会社そのものを変えようとしています。
人気ポッドキャストOff Topicで紹介されたリモートワークが雇用環境をどのように変えているのか with Remote Job van der Voort and Marcelo Lebre」という動画が示唆的だったので、その中から特に私が注目した、リモートワークがもたらすものを4つピックアップしました。
すべてを汲み取れているわけではないので、ぜひ本編を。

 

私の注目その1:会社はスケールしやすくなる

リモートワーク中心の会社は物理的な制約であるオフィスが必要ない。動画に登場するRemote.comのCEOはアムステルダム、CTOはサンフランシスコに在住、2,000人の社員も原則リモートワーク。オフィスがないことでオフィス賃料が必要ないのはもちろん、組織の運営方法が柔軟になる。人材面も世界中からリクルーティングが可能になる(もちろん、そんなに簡単な話ではないが)とのこと。いろいろ身軽なのでスケールしやすく、Remote.comも2019年創業から2,000人、売上200億円規模にスケールしている。

その2:"あらゆる真実の唯一の情報源は常にドキュメント"
"the single source of truth of anything is always a document of text"
このフレーズは実際に話されていた言葉。直訳するとあらゆる真実の唯一の情報源は常にドキュメント。
人と人が直接顔をあわせないリモートワークでコミュケーションを成立させるには、ドキュメント化が前提になる。そしてRemote.comでは次のようにコミュニケーションが行われている。
      • 主に使われているのはSlack、Notion、Loom
        (Loomは非同期でビデオ撮影と共有ができる、簡単に言うとビデオレターツール)
      • 長いメッセージをSlackやメールで書くならLoomを使う
      • 通話のアジェンダと記録はNotionを使う
      • 通話はコストが高いことを意識する。なので非同期コミュニケーションが圧倒的に多い。
        これはタイムゾーンの違う人と働けばすぐにわかる。
その3:リーダーシップは調整より決定が重視される
リモートワークは一人で仕事をする時間も長くなるが、そもそも生産性の高い組織は、みんなが一人で働いていることの方が多い。一人一人が意思決定できる裁量を与えられているともいえる。組織単位の大きな決断についても、動きの速い組織は、合意による意思決定が行われていない。リーダーが意思決定する。
そこには調整型リーダーシップという考えはない、もしくは薄い。
その4:従業員にはこれまで以上の裁量と、成果への責任が求められる
リモートワークでは8時間分(就業時間分)のワーク、つまりアウトプット、もっと言い換えると成果が求められる。オフィス通勤の場合では8時間分の勤務、皮肉っぽくいうと、そこに8時間いることが求められていた。この差は決定的で、リモートワークではオフィスの雰囲気や他人の目という強制力のない環境で、セルフコントロールし、成果を求められることになる。
強制力がないということは、悪いことではなく、自分で裁量できるということである。
 
「リモートワーク好き?」って聞かれたら、私は「好き」って答えてしまうけど、
リモートワークとは何なのかまだまだ理解不足だなって考えさせられるインタビューでした。
長い長い年月、人はオフィスに出社して仕事をしていて(私も最初そうだった)、
リモートワークというものが定着してまだ10年も経っていない。
人の行動がこんなに変化したタイミングに立ち会えるのは、実はすごく
貴重なことなのかも。
いいところも悪いところも、変えられるところも変えられないところも、
リモートワークというものを、ちゃんと理解したいなって思うのです。

 

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ハシガケちゃんの「みんなのトーク」 はhashigakeで実際にあったトークエピソード(一部、脚色編集しています)や、ハシガケちゃんがコミュニケーションについて悩んだり気づいたりしたエピソードをお伝えするコーナーです。
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